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藤原・室 建築設計事務所
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昭和町の家
 長屋の一戸分(17.89m×3.94m)の、間口が狭く、奥行きのある敷地に建物はある。
都心とはいえ、附近は昔から住んでいる人が多く、落ち着きのある街である。
そのような状況に対して閉じるのでは無く、前面道路方向を景色として受け入れる住宅を設計した

 計画においての大きな問題点は、狭小の長細い形状の敷地に家を建てると、内部の有効幅は3mを切る位しか取ることができないことであった。その条件を元に、前面道路も含めた空間をいかに利用して住まいに広がりを感じさせ、道路側から敷地奥側までの連続感を感じさせることができるかを、何度もスタディーしていった。

 主たる解決は、断面的な空間構成であった。南に面する道路側から→“モッコクの樹” →"天井高さが5.6mあるリビング”→"吹き抜けと階段スペース”→"各部屋を地下から3階まで4層に重ねる空間構成”→"小さな外部吹抜け”を順に設けた。そして、フロアをスキップフロアとし、ずれを生じさせることで、後方の部屋からの視線が道路側まで抜け、室内の様子が外部から連続しているような、都市と繋がり感のある建物を実現することができた。
建物のディテールは、建物の長手方向に対しての連続感や透明感を高めることを検討した。階段を、建物の中心にしながらも、視線の抜けを確保した。部屋の仕切りにはガラスを使用し、床や天井にスリットを作り、外部からの連続感を出している。

 都市部の狭小敷地での計画の場合、一般的には敷地いっぱいに建物を建て、建蔽率をクリアする為に中庭を設けることで、内部に広がりとプライバシーを保つ、といった方法がよく取られる。そのような計画の場合、道路側である都市側は壁が主体となり、圧迫感が感じられるのファサードとなる。

 昭和町の家においては、建物前面部分から控えたところに植栽を植え、それを内部からも見えるようにする、というところから、都市側を意識することがはじまり、建物内部からファサードまでを形成している。
Data

一般住宅設計 | 藤原慎太郎/室喜夫

種別 | 新築

構造 | 鉄骨造

予算 |

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