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SEIUNDO-楕円のカウンターが、隔てず、導き、繋ぐ-
大阪証券取引所ビルのある北浜。中央を南北に走る堺筋沿いには、大正、昭和初期の名建築が多く残る。

堺筋はライオン像が並ぶ難波橋で土佐堀川と交差するのだが、その重厚なデザインが、ここが水都・大阪の中心だったことを示している。

北浜の中でも、土佐堀川を見下ろす環境は更に限られたものだ。2015年完成の最新オフィスビルの7階に、SEIUNDOは本社を移転することになった。

SEIUNDOは株主総会関係の印刷等の専門家で、顧客の多くは上場企業。彼らにとって北浜は、聖地なのだ。

土佐堀川を望む景観を損なわず、隔てず、導き、社員を繋ぐ。そんな機能をもつ、楕円型のカウンターに囲まれた、働らく空間を考えた。

これを、オーバル・コミュニケーション・カウンター(oval communication counter以下o.c.c.)と名付けた。仕切りのようにも見えるが、高さ1m5cmは、訪れた人「立った人」と社員「座った人」を繋ぐ、中間領域となっている。

門型のゲートをくぐると、一気に中之島を望む景色が広がる。訪問者の視線を一旦北に誘い、奥の応接スペースへと導く。そのような役割も与えた。

奥に進むと、o.c.c.は高さが1m35cmに変化する。応接スペースに腰掛けると視線が切れ、心地よいプロテクト感を演出してくれるのだ。

楕円は、2つの焦点からの距離の和が一定となる曲線である。中心と半径を決めれば1つに限定される円より、焦点を決めたとしても、距離の和には無限の選択が可能だ。

自社と社会、社員と会社、自分と顧客。仕事においては対象者があり、その関係が及ぶ範囲こそが楕円と考えると分かりやすい。この空間において、o.c.c.はSEIUNDOそのものを表している。

本田宗一郎は「機械は人の上に立ってはならない」と言った。

建築においても勿論同じこと。会社の社員の幸せの実現の為だけに、この空間は存在しているのだ。
Data

オフィス設計 | 守谷昌紀

種別 | 新築

構造 | その他

予算 |

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