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1-1 Architects 一級建築士事務所
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Clinic NK
対象敷地は、北側に4車線の幹線道路、南側に幅4mの生活道路に面した南北に長い形状で、幹線道路沿いの町並みに奥行きと抜けを与えている。ここに審美矯正、小児歯科を専門とする歯科医院を新築する計画である。



患者の立場として、歯科医院では実に様々な場所を転々とさせられると経験的に感じている。例えば、受付→待合→歯磨きコーナー→治療室→レントゲン→治療室→待合→会計という具合だ。我々はそれらの行為そのものを建築の構造とするため、上述の各場を目的地化し、「→」を各目的地へ向かうための通路として計画をした。具体的には、敷地の方向性に沿わせるように、建築中央に平面的に長い通路を設定し、その両脇に目的地となる必要諸室を配置している。通路には、ヒューマンスケールから逸脱したホワイトアウトして行く天井面と、延長性を感じさせる扉のような通路端の処理を施し、全体が1日を通して光の状態が変化する感覚的外部空間として計画した。この建築中央に設けた自然光により変化する感覚的外部が各諸室とつながりを持つことで、プライバシーへの過度な配慮が閉塞感につながることを防いでいる。



目的地とした各諸室は、少しずつ部屋の容積や設えに変化を与えている。患者にとってもスタッフにとっても、別の目的地へ移動した際には、建築/植栽/光などあらゆる事象が先ほどいた部屋とは違った環境をつくり出し、待ち受けている。利用者は、建築や外部環境が変化していく中で、いくつもの異なる空間体験を積み重ねていくことになる。



通路と諸室の間にはアーチ形状の「境界」を設計した。上下が対称でないこの形状は、通過可能な開口として、突破のアフォーダンスを誘発し、通路に立つ者にその先を意識付ける。さらに、繰り返されるアーチ形状の類同性が、通路に対し、ゲシュタルト原理における体制化を促している。また、アーチの小口には金属塗料が施されており、光によってその表情は大きく変わる、どこか異物のような存在である。この「境界」をくぐり抜けることこそが、漠とした通路からの解放であり、目的地への到達を意味している。



外部については、通路部は平面のみでなく立面的にも突出しており、町に対して敷地の方向性を担保している。両脇の諸室は通路とは対照的に、隣家に対して圧迫感や突出感を与えないように振る舞いつつ、内部と異なる開口計画や植栽計画によって、歯科医院としてのプライバシーの確保と開放性のバランスをとった。
Data

病院設計 | 神谷勇机

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 |

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