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高木達之一級建築士事務所
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屋根のないリビングのある住宅
敷地は静岡県浜松市中心部にある浜松城公園のそばにあり敷地奥には高低差5Mの崖があります。崖の下には寺院があり、寺院の周囲を取り囲む竹林がこの敷地にとっての借景となっています。

アウターリビングでめざしたこと
今回住宅の南側にリビングとひと続きの「アウターリビング」という屋根のないリビング空間を設けました。それは屋根がないため物理的な自然の変化である雨風をしのいだりすることはできませんが、天候や季節に逆らわずその時々を楽しみ、数値化出来ない気持ちよさ体感する場所です。

周辺の借景や太陽の南中高度を丁寧に分析し、アウターリビングを取り囲む壁にこの敷地ならではの「孔」を設けました。この「孔」により季節によって変化する周囲の環境を緩やかに調整し開いているような閉じているような空間となりました。素材のもつ温度感やざらつき、粒子の細かさ、借景の植物の変化などから起因する「気持ちよさ」を獲得し「気分」に影響をあたえる空間ができたと思っています。

素材のオーバーラップ
外部から内部に続く一連の床や家具の仕上を隣り合う空間ごとにズルズルとオーバーラップするように切り替えました。また各諸室(スタディルーム、リビング、アウターリビング、ダイニング)の天井高に変化を持たせ、床には機能によって段差を設けることによって一体の空間ながら緩やかに分節しました。

アウターリビングによって内部空間をより「広く」体感し、生活の場が内部だけにとどまることなく外部までもが積極的に使われる状況をつくりだしました。また各部屋にある一般的な開口部と、アウターリビングの壁に開けた周囲の環境を内部空間に触媒する「孔」の見え方が同様に見えるようなディテールとし、視覚的に環境を絵のように切り取り「近く」感じるようにしました。

室内からみえる「アウターリビング」の壁の仕上は雨露や植物の影、太陽の光等が写り込んだ時に美しく見えるように、肌理の細かいサイディングの上塗装仕上げとし、汚れにくくするために光触媒のはいったものを使用しています。
Data

一般住宅設計 | 高木 達之

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 |

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