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株式会社 bandesign
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Everlong
永く存在させる為に、可変可能な構造をもつ住宅。外部RC造、内部木造のハイブリッド構造は様々な用途変更に追従する。
1階はギャラリー、2階はゲストが宿泊可能なゲストルーム、3階は住居となっている。

Everlongは名古屋市の中心街に近接した地域に建つ。急速的に変化してきた近隣商業地域のこのエリアは多種多様な用途を求められてきた。永い年月に亘って住宅で存在するとは限らない。そのような状況下、永く存在しようとするこの建築は、様々な用途を受け入れる必要がある。

日本の鉄筋コンクリート造住宅は、60年、70年という長い供用年数にも関わらず30年から40年という早い段階で多く取り壊されている。何故なら、硬くて重い鉄筋コンクリート造は生活の変化に対しフレキシブルに順応できないからである。建物を永く存在させるには多くの要望を受け入れなければならない。そのようなことを背景に、この住宅は可変的な建築コンポーネンツが求められた。

先ず始めに細幅の壁を10本の鉄筋コンクリートのバンドが束ねている。地震時の水平力に耐える為に機能している。街に住む住宅として10本のバンドは、都市の借景を作り出している。
次に、前述バンドの上に木造の床は必要な高さを確保しながら設置されている。木造は増築や改修を容易にするので、将来の変化に対し追従するだろうと考える。ユニークなのは高さの変化にも対応可能なところで、10本の鉄筋コンクリートのバンドと木造の床は10段の可動棚のように機能する。
かたや内部空間は、障子によってテンポラリーな要望に応じて空間をつくれるようになっている。太陽光を一番受ける西側では、障子が外壁と内部空間との間に空気層をつくっている。障子が空気のボリュームを変えることで温度環境を容易に調整する機能を果たしている。
短期的にも長期的にもインタラクティブに変化を受け入れるこの住宅は、街や人に寄り添うことで永年存在するだろうと考える。
最後に、クライアントは高齢の日本人形の女性作家で、彼女が居なくなっても永遠にこの住宅が残り続けられるようにとの願いが託されている。Everlongはそれに因んで名付けられた。
Data

一般住宅設計 | 伴 尚憲

種別 | 新築

構造 | 混構造

予算 |

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