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有限会社 木鶏建築研究所
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デイケア さかうえ
[ 作品解説 ]
この施設は、高齢者率30%を超える過疎地指定地域に計画された。建築主は整形外科医院を運営する医療法人理事長で、この地域における医療と福祉の両立を目指し、同医療法人の運営する既存整形外科医院の隣接地に建設された。そのため計画段階から、既存医院との管理面や運営面での動線計画やゾーニングを中心に進められ、同時に地域利用者の利便性や、安全性、快適性等が検討された。
既存医院と計画地との間には、幅1m程の水路が存在し、既存建物の増築が困難なため、開放型の渡り廊下にて既存医院と接続する方法を採用した。管理部門の事務コーナーは、浴室・便所以外のすべての使用空間が望めるように建物の中心位置に配置し、通所者の不意の事故等への対応ができるよう安全を最優先している。床面はすべて段差を無くし、手摺の設置はもちろん、床材は福祉施設用の長尺シートとし、転倒時の衝撃を和らげるような素材としながら、あまり柔らかすぎると歩行しにくいので、程よい硬度を持ったものを選定した。また機能回復訓練室の天井高は他の部分より高めの3600mmとし、風船等を使用した機能回復訓練等にも利用可能な高さとした。
南北に長い敷地のため、計画建物も南北に長いプランとなったが、トップライトを設けたり、東西方向からの採光を取り入れる等、明るく開放的な室内空間となっている。 外観デザインは、外壁に高耐候カラー鋼板製スパンドレル(シルバー色)を全面に使用し、医療という先進的なイメージを演出することで、明るく清潔感のある施設のイメージを強調している。また通所者のメインアプローチを配置した北側面は、全面をカーテンウォールとし、室内空間のみならず、この建物のファサードを明るく開放的で先進的な施設として印象づけている。更に道路に面した外壁面には夜間ライトアップしたサインを設け、地域住民にアピールを行っている。
内部のカラーデザインは、ユーザーのほとんどが高齢者のため、木の温かみ+清潔感・開放感を感じさせるように、床のビニールシートを木調(中間の明度)とし、腰壁をシナ合板、壁・天井を無彩色の白とした。内部建具や家具も木調(中間の明度)とし、統一感を演出している。
照明計画に関しては、施設の用途が“憩い”や“安らぎ”というイメージよりも、活動的なリハビリのための空間であるため、白熱球は使用せず、全室蛍光灯を使用し、充分な照度を確保できるようにした。


Data

設計 | 高橋 浩伸

種別 |

構造 |

予算 |

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