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山本嘉寛建築設計事務所 YYAA
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岡山ビル|テナントオフィスビルの一棟リノベーション
[ 所在地 ]大阪市中央区
[ 敷地面積 ]155㎡(47坪)
[ 延床面積 ]500㎡(151坪)
[ 施工 ]三笘工務店
[ 撮影 ]笹倉洋平

大阪市中央区。高度経済成長期に建てられた小さな複合ビル。オーナーは相続でこの建物を託されましたが、何十年も放置される間に空室化と老朽化が進み、何らかの対策を迫られていました。ハウスメーカーやゼネコンに相談したものの、賃貸マンションに建て替えたり駐車場にする提案ばかり。紋切型の事業物件を造ってもまた早々に劣化するのではないか。コンクリート造でつくられた建物が40年程度で解体せざるを得ない訳がない。長く赴任していたロンドンにはもっと古いビルがたくさんあったが、色々な工夫によって生き生きと活用されていた。それに幼い頃建設に立ち合った建物には思い入れもある。先に別件でご依頼を頂いていたオーナーからそんな話を聞き、一度現地を見てみましょう、と言ったところからプロジェクトは始まりました。

建物はほとんど空室で、何十年も賃借している個人事務所が幾つか、あとは近くの建設現場が仮設事務所として間借りしている程度でした。ツギハギの修繕工事やリフォームで内部はデザイン的にも法規的にも滅茶苦茶な状態。設備も劣化して汚水の臭いが漂っています。確かに解体するほうが手っ取り早いが、妙な意匠が付加されていないシンプルな躯体は利用しやすいし、今では使われない鉄製の金物類や焼むらのある外壁タイルも見方によっては魅力的で、再生してみる価値はあるだろう、という意見で一致し、一棟リノベーションの計画を進めることになりました。

収益物件のプランニングは入居者のニーズに合致させることが重要ですが、古くから付き合いのある不動産会社ではリノベーション物件をうまくリーシングできません。そこでwebを中心に展開する不動産会社とタッグを組み、クリエイティブな層に訴求するプランを試行錯誤しながら決定していきました。

意匠的には、古くても確かな質感のある材料を残し、いわゆる新建材を剥がしていく地道な作業の積み重ね。構造的には耐震診断の結果判明した脆弱箇所を、意匠と絡めて補強していきます。設備も館内の配線配管は全てやり直し。防火区画や延べ面積を整理して建築基準法と整合させ、感知器類を整備し全て有窓居室として設計し直すことで消防検査もクリアしました。

出来上がった建物は建築やウェブ関係のデザイナー、アンティークやアパレル系のショップなど、多くの方に愛着を持って利用されています。オーナーも小さな部屋を確保して、倉庫利用したり時々滞在したり、屋根裏部屋的に楽しんでおられるご様子。第二期の屋上リノベーション(2018)、第三期の外装リノベーション(2020)を行い、建物はますます魅力的になっていきます。
Data

オフィス設計 | 山本嘉寛

種別 | リフォーム・リノベーション

構造 | 鉄筋コンクリート

予算 |

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