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磯村建築設計事務所
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下鏡田の家
[ 所在地 ]愛知県

[ ロケーション ]郊外

[ 敷地面積 ]237.40㎡

[ 延床面積 ]99㎡

[ 竣工年 ]2007年

[ 構造設計 ]

[ 施工者 ]友八工務店

[ 作品解説 ]

敷地は名古屋市と豊田市を東西に配するベットタウン的な地方都市の田園の一角に位置し、北に道路、南に果樹園があり南北に1mほど高低差が、東西には町工場がそれぞれ隣接しておりそれ以外は周囲に住宅は無く、少しの雑木林と畑、そして大部分を水田がしめる牧歌的雰囲気の残る地域である。

当初、敷地が市街化調整区域ではあるが、当該土地が行政の土地収容に絡む換地であるため都計法43条に則り事を運べば問題なく事務作業は進むであろうと思ってはいたが、煩雑な手続きと行政のあいまいな判断の連続で着工までに2年の歳月を要している。そのため家族構成も変わり、諸条件で若干の調整は出たもののなんとか完成までこぎつけた。
建物はシンプルに箱型とし、東西にはしる北側道路の境界が広くなっている三味線撥(ばち)のような形状の敷地であるため敷地西に余白(将来増築用)を持たせた配置としている。
開口部は東西にある町工場からの視線と防犯を考慮し一部を除きほとんどを南北面に設置した。そのため道路から望む形状が外壁に使用している杉材によりマッシヴなボリューム感を際立たせ、周囲の風景とよくマッチングしヴァナキュラーな佇まいとなっている。また、開口部の少ない壁面としたのは、再塗装などのメンテナンスが容易にできることや開口部からの熱損失を極力少なくするための結果である。
内部空間は敷地の高低差をそのままフロアレベル設定に取り込み、建物中央にある吹き抜けを介しレベルの異なる4つのフロアを設けた いわば階段の踊り場がそのまま室に変化したような空間構成としている。室内は家族構成や時間軸での使用スタイルに対応できるようフロアの用途は特定していない。現状はフロアが上がるにつれ下のフロアからの視線などが気にならなくなるので上にいくほどプライベートレベルも上がった用途の室として使える構成としている。それぞれのフロアは吹き抜け空間によってつながるいわゆる1室空間であるのと同時に、半階ずれた構成により30坪弱の住宅と思わせないほどの広がりを感じることのできるようになっている。また、フロアのずれと吹き抜けは南北の卓越風を取り込み夏は涼しく、冬は日光の日差しを天井と床の反射により最下部まで持っていく効果もある。さらに最下部の基礎コンクリート打ち放し部分は断熱を施したマスコンクリートとし、躯体に埋設された床暖房設備と暖炉の熱の蓄熱体として利用している。吹き抜けから最上部まで上がった熱をサーキュレーションダクトにより熱循環しており、建物自体が空調装置の役目を果たすようなことを盛り込んだ計画とした。打ち放しコンクリートは夏場の暑さを緩和することも担っている。
Data

一般住宅設計 | 磯村 隆幸

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 | 2000万円代前半

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