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株式会社YYA
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Lula
都会から地方へ
コロナ前から既に都市的生活とは距離を置き、地方で生活していく人達が散見されるようになってきた。SNSなどのメディアの隆盛と共に、地方でも特徴のある店にすることで、集客することができるという経験から、地方で店を構えることが珍しくないような状況となりつつあったが、コロナ禍を通して、地方へ回帰していく流れが加速しつつあるのが今の現状である。そういう時勢の中で、郊外に建つ美容室への改修計画である。

ローカリティの中での建築
大都市の中に建つのではなく、地方都市に構える店にとってのコンセプトがいかなるものがふさわしいかであるが、それは同時代における同様の美容室とは異質な存在となるような建築にしたいと考えた。
通常美容室というと、オーナーの趣味要素が色濃く現された空間が多い。あるいはコンクリートの無機質な空間だったり、木を使った暖かみのある空間であることも圧倒的に多い。美容室とはこういうものというようなある種パッケージングされた空間が多い。美容室というあるレッテルを貼られたものに対し、今計画では、空間のデザインが消化されないような、他の美容室とは異質の存在を作り上げたかった。異質というとキワモノのよつに思えるが、言い換えるとあるスタイルを持つ建築であることが重要であると考えた。地方に建つ美容室でも、ここに来たいと思えるような特徴的な空間とすることで、地方でありながらも集客できる美容室になるように配慮した。

蜃気楼のような現象学的な空間
よくあるタイルの外装の五階建てのマンションの一階に今回の店舗がある。

タイルというマテリアルに対して、既存建築物と連続的ではあるが、非連続的になるような建築を目指した。

床一面にはレンガタイルを用いているが、よくタイルで使われるサイズではなく、一枚がiPadぐらいの大きさである特注のレンガタイルとし、かつ四色のカラーバリエーションとすることで、色を定義しえない関係性を作った。色のベースはピンク系とし、どこかモロッコや中東などの民家の外壁で使われているような色を選択し、アノニマスな風景を作り出そうと試みた。また壁も同様に2色からなる特殊塗装としている。空間は複数の色が複雑に絡み合い、定義しえない曖昧な空間となるように配慮した。それに加え、時間による光の変化で床、壁、天井の色が異なって見え、朝、昼、夕方、夜など、時間の移ろいとともに、変容していくような現象学的な空間を実現した。日々刻々と変化していくプリミティブな様相を観察、知覚する空間である。抽象的な空間において、美容室における鏡は唯一現実に引き戻される要素であり、ここではランドアートかのように、非現実的な要素となるように、薄い板が自立しているようなディテールとしている。サイドテーブルも全面ミラーとし、同様に非現実的な要素となるようにしている。

建物を訪れた者がこの色を見て、モロッコを感じる人もいれば、メキシコを思い浮かべる人もいるかもしれない。それぞれが自由に何かを想起させ、人の知覚を刺激する建築となる。

また店舗では通常高さ方向によるバーティカルなシークエンスを感じることは少ないが、段差をあえて、適所に設けることで、シークエンシャルな空間となるように、配慮し、狭い空間の中で、それぞれの空間をゆるやかに分節しつつ、連続的な空間を獲得している。

ギャラリーはスタジオ撮影、ポップアップストア、カフェ、展示スペースなど、人が主体的に活動、交流ができるような仕掛けができるスペースとし、美容室という枠組みを超えたスペースとなるように計画した。

サロン部分はそのスペースから、一段上がることで、空間を分節し、ギャラリーとは差別化を図っている。外部からサロンを見ると一段上がったステージとなり、夜には照明による光のステージで浮かび上がる仕掛けとなり、まるでサロンショーを見ているような感覚となり、外にいる人へのアピールし、集客効果を期待している。

さらに奥にあるスパは幅員の大きなゆとりのある階段を設けることで、特別感のある空間とし、自立壁に囲まれた半個室による空間とすることで、ホスピタリティの高い空間を意図している。セキュリティ上、スタッフが入り口が見えるように壁の高さを調整している。

内装材が外部に滲み出すことによって、内外の連続感を出すとともに、マンションの外装材と非連続的な建築であることも標榜している。

来た人々にとって、それぞれが知覚を刺激されるような五感に訴えるような新しい建築がここに出来たと思う。
Data

店舗設計 | 吉野 優輔

種別 | リフォーム・リノベーション

構造 | 鉄筋コンクリート

予算 |

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