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IGArchitects 一級建築士事務所
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グランドルーム/ハウス
グランドルーム/ハウス

敷地は田園風景が広がる環境に囲まれた開発地の一角で、交通量の多い道路と私道に面した場所にある。クライアントは夫婦+子二人の4人家族で、まだ小さい子供たちと、将来の暮らしの変化を柔軟に受け止められる大らかな住宅を望まれていた。

この計画では敷地の大きさや周辺環境が持つ開放感や伸びやかさを活かし、明るく開放的な空間を考えた。建物は巨大な1室空間であるグランドルームとその周囲に個室群を設けた構成になっている。建物の面積の半分を占めるこのグランドルームはリビングであり、ダイニングであり、廊下であり、子供たちの遊び場であり、庭でもあり、上部に流れる梁を手掛かりに、使い方を変化させることができる。グランドルームは「まち」と個室群の間に位置し、スケールの異なる2つの空間を接続し、「まち」や個室のもの・ことを受け止める余白の空間になる。

グランドルームは天井高さ5mの大空間を実現するためには、面剛性の確保と風に対する面外抵抗が必要になる。通常はキャットウォークや抜梁と火打ちで対応するのだが、この住宅では梁と火打ち両方の役割を持たせたジグザク梁を用いることで、単一のルールの線材のみで大空間を実現している。このジグザグ梁は高さ方向に奥行きをつくり、水平方向にパースをきかせることで空間をさらに広く感じさせる。さらにライティングレールを兼ねていて、人の居場所の手掛かりにもなっている。

リビングやダイニングという室名で空間をつくるのではなく、多くの機能を受け止める無機能な空間が、変化を受け止める大らかな空間となり、この住宅のあり方を決定している。そしてそれはクライアントがこの場所で暮らすために求めた暮らしの在り方である。
Data

一般住宅設計 | 五十嵐理人

種別 | 新築

構造 | 木造

予算 | 3000万

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